ガバメントクラウドファンディングとしてのふるさと納税の新しい形態

ふるさと納税

hurusato

今やふるさと納税の新しい潮流となっているガバメントクラウドファンディングについて解説します。
サラリーマン、個人事業主のみならず、自治体関係者は必見ですよ。

スポンサーリンク

「ガバメントクラウドファンディング(GCF)」とは?

「ガバメントクラウドファンディング」 とは一言で言えば、「ふるさと納税」と「クラウドファンディング」を融合させたサービスのことをいいます。

では「ふるさと納税」とはどういうことかといいますと、自治体へ寄附を行うことで、その寄付金が翌年の住民税から控除されるという仕組みです。
また、こっちのほうが広く知れ渡っていますが、寄付を行うとお礼の品として食べ物や工芸品などその地域の特産品を受け取ることができます。

一方、「クラウドファンディング」は、住民税などの控除はありませんが、災害復興支援や商品開発など様々なプロジェクト案件に対し、ネットを通じて資金の提供をすることができるます。
資金を募ってプロジェクトが完了したら完成した商品やサービスを受けることができる仕組みです。

クラウドファンディングは自治体のプロジェクトに対して寄付をして(ふるさと納税)応援することによって、住民税が控除されます。
ですから資金提供者は、クラウドファンディング が対象とするプロジェクトに共感してお金を提供するという意味合いが強いため、自治体への「応援マネー」ともいわれています。

「クラウドファンディング」の事例豊富なFAAV0

FAAV0 は「取り組みのPR」と「資金調達」と「ファンづくり」が同時にできる新しい仕組みです。
個人が起業するための資金調達を募っています。
こちらのホームページはおしゃれすぎて、迷ってしまいそうですが、 たくさんのプロジェクトが登録されています
まだまだ数は少ないですが、ガバメントクラウドファンディングも取り扱い始めました。

「ガバメントクラウドファンディング」の課題

「ガバメントクラウドファンディング」は「 ふるさとチョイス 」で扱っています
まずこちらが、最大手ですね。

ガバメントクラウドファンディングの課題について考えてみます。

スポンサーリンク

ふるさと納税を扱っている自治体にしてみれば、返礼品なしで寄付金だけを集めることができれば一番理想的でしょう。
たしかに15年度のふるさと納税を通じた資金調達金額の上位の自治体は、返礼品の還元率や換金性が高いことが特徴でした。
還元率が高いということは、ふるさと納税で自治体に集まったお金のほとんどが、返礼品を提供する地元事業者に流れていっているため、自治体が税収として使えるお金はほとんど残らないということになります。
ですから、体を変えた地元事業者への補助金ということにもなってしまうため、批判的な意見もあります。
しかし一方で返礼品が地域経済にとってマーケティングの役割を担っているというプラスの側面もあることは否めません。
このようにふるさと納税における返礼品のあり方について、一つのきれいな結論を出すことは難しい課題です。

ガバメントクラウドファンディングの場合、その使途について、資金提供をする域外の人たちによる“人気投票”になってしまうという側面を持っています。
これは従来の地方自治においては存在しなかったまったく新しい形態です。
元々は、地震や台風などの自然災害で住むところがなくなり、困っている人達を助けるために寄付するというのが動機だったはずです。

地域外の人たちが、地域における課題の優先度や必要性をうかがい知ることは難しく、誤解も生じてしまいます。
ガバメントクラウドファンディングでは、どこにでもありがちな資金の使い道だと域外の人たちへのアピール力が弱いため、いかにユニークな案件か、希少な案件か、という点がプロジェクト立案のポイントになってしまいがちです。

このようにプロジェクトのユニークさや希少さを競うようになってしまっては、本当に必要なところにふるさと納税が使われないという可能性も出てきてしまいます。
特に、ふるさと納税は恒久的な財源でないことも、各自治体を場当たり的な「使い道のユニークさ競争」に仕向けかねません。

以上のような懸念はあるものの、域外の人たちに応援してもらい地域の魅力発掘につなげることこそが、ふるさと納税・ガバメントクラウドファンディングの意義であります。
安易な「ユニークさ競争」に陥らないようにするためには、自治体側はもちろん、資金提供をする我々納税者もその意義をしっかりと認識していなければなりません。

ふるさと納税やガバメントクラウドファンディングを巡っては、寄付をしてもらった自治体があれば、反対にその寄付者から徴収するはずだった住民税、所得税を控除しそこなった自治体もあります。
そのため、お金を取った取られた、出し抜いた抜かれたといった議論になりがちです。
そうではなくて、どうすれば各自治体が自らの魅力をより発信し、地域活性化につなげることができるかという視点が必要になってきます。

まとめ

ふるさと納税をきっかけにして、自治体は様々な創意工夫をしてアピールし、各自治体が自らの地域や特産品のマーケティングに目覚めたことが重要なことである。
単に都市部から地方へのお金の移転がふるさと納税の目玉なのではなく、地域の活力を引き出していることこそがポイントなのですね。

スポンサーリンク

コメント

タイトルとURLをコピーしました